むし歯治療
むし歯治療
当院は痛みに配慮し、なるべく削らないむし歯治療を行っています。
できるだけ快適に歯科治療を受けてもらうために麻酔時の痛みにも配慮しております。
いくつか例を挙げると麻酔は塗り薬の表面麻酔を刺入部(注射する場所)に塗布することで、チクっとした痛みを極力減らしています。次にカートリッジウォーマーを導入しており、痛みを感じるのが少ないといわれる37度に麻酔薬を温めております。最後に電動麻酔器と細い針を使うことで、より低速で麻酔薬を注入することができます。刺入時の痛みは針が細いほど痛みを感じにくく、麻酔薬注入時は低速なほど痛みを減らすことができます。このような設備を整えることで苦痛の少ないむし歯治療を行っています。
また当院ではなるべく削らないMI治療を積極的に行っています。
MIとは(ミニマル・インターベーション)と呼ばれ、最小限の侵襲を目指すむし歯治療になります。できるだけ歯を削らず、できるだけ神経を温存し、生まれ持った歯を残し、歯の寿命を長くすることを当院のコンセプトとしています。
口の中のミュータンス菌という細菌が飲食物の糖分を摂取分解して作った酸で歯が溶かされていく病気です。人の唾液はそのような酸を中和したり、溶かされた歯の自己修復する機能を持っています。しかし糖分摂取の頻度が多く、歯磨きの状態が悪いと、酸の中和や修復が追い付かずむし歯となってしまいます。
初期段階のむし歯は自覚症状が少なく、日常的なケアを怠ると悪化し、やがて痛みを伴うようになります。痛みを伴うむし歯はすでに大きく進行しており、治療に回数がかかることが多いです。むし歯は早い段階で治療を開始すれば、比較的簡単な処置で治癒します。むし歯の治療において早期発見、早期治療がとても大切です。むし歯の兆候があればお早めに受診ください。
むし歯は進行度合いにより治療法が異なります。
我々はむし歯の進行度合いによってC0~C4と分類します。
C0初期のむし歯
●症状
C0はむし歯になっているものの、今のところ治療の必要がない要観察歯となります。
むし歯菌が放出する酸によって歯のエナメル質が溶かされ始めている段階で、歯の表面が白く濁って見えますが、痛みなどの自覚症状もありません。
●治療方法
適切なブラッシングやフッ素塗布により、歯の再石灰化を促すことで治癒します。
C1エナメル質の範囲内のむし歯
●症状
C0からエナメル質がさらに溶かされ、歯に小さな穴が空いた状態です。歯の表面は黒ずんで見えます。冷たいものを飲食した際にしみる場合がありますが、強い痛みはでにくい為ご自身でむし歯かどうかの判断がつきにくい状態です。
この段階では、歯を削らずに治すことができたり、削る場合でも麻酔を使わずに削る量を最小限に抑えて治療ができたりします。このC1の段階で治療を受けることが理想です。
●治療方法
むし歯の部分を最小限に削り、白い歯科用プラスチック(レンジ)などを詰めます。
C2歯の内部(象牙質)まで進行したむし歯
●症状
むし歯がエナメル質の内側にある象牙質まで達している状態です。むし歯の部分は黒く見え、歯が欠けてくることがあります。冷たいものや甘いものを飲食したときに、しみる・痛むなどの自覚症状が現れます。この段階から進行が早くなるため早期の治療が重要になります。
●治療方法
むし歯の部分を削り取り、詰め物で補います。局所麻酔を使用することが多いです。
むし歯が広範囲な場合は、型を取って作製するインレー(詰め物)や被せ物によって歯の機能を回復します。
詰め物・被せ物などの修復物の材料には様々な種類があり、保険範囲のものと保険外のものがあります。当院では身体に優しく、審美性の高い材料を種類豊富にご用意しています。
C3神経まで進行したむし歯
※熱いものがしみる、激しい痛みがある
●症状
むし歯が歯の内部にある神経(歯髄)まで進行した状態です。冷たいもの、甘いものに加え、熱いものでもしみる症状や、刺激を与えなくてもズキズキと激しい痛みが生じる自発痛が発生します。
●治療方法
むし歯菌により感染した神経を取り除き、歯の内部(根管)を消毒する根管治療を行います。この段階で治療すれば、歯自体は残せることが多いです。根管治療後は土台を立てて、クラウンを被せます。
被せ物や土台には様々な種類があります。
C4歯根まで進行したむし歯
※長期間継続していた強い痛みが治まり、放置している
●症状
歯根の部分までむし歯菌が侵入した末期のむし歯の状態です。この段階では痛みを感じる神経自体が壊死しているため痛みを感じません。しかし放置するとやがて歯根部に膿がたまり激痛を生じやすくなります。ここまで進行すると歯を残すことも難しくなります。
●治療方法
抜歯を行い補綴することで歯の機能回復を図ります。補綴にはブリッジや入れ歯、インプラントなどがあります。
●抜歯
○抜歯(歯の喪失)後の治療方法
・ブリッジ(連結された被せ物)
ブリッジは、失ってしまった歯の両隣の歯を土台にして、連結した被せ物を装着する治療です。治療後はご自分の歯と同じように噛むことができますが、ブリッジを固定するため両隣の歯をある程度削る必要があります。このブリッジには、保険適用の金属製のものや適用外のセラミック製など、様々なものがあります。
・入れ歯
比較的短期間での作製が可能ですが、硬い食べものや、粘り気のある食べ物では、しっかり噛むことができず違和感が生じることがあります。慣れるまでの時間が必要です。
・インプラント
ご自分の歯と同じように噛むことができ、隣の歯を削る必要がありません。他の歯にかかる負担を減らすことも出来る為、残った自分の歯を守ることができます。インプラントは自由診療になり、費用は高額になります。また顎の骨の状態が悪い方や内科疾患や重度の歯周病がある方は適応外になることがあります。